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2013年7月1日 更新

帝王切開術中の昇圧剤投与−1
エフェドリンからフェニレフリンへ

帝王切開で使用する昇圧剤の第一選択がエフェドリンからフェニレフリンに変わりつつある。
長い間エフェドリンが第一選択であり続けたが、その根拠となったのは1970年頃の一連の論文である(1-3)。
本稿では、まずはこれらの論文を、その後最近の関連論文を紹介する。

論文1、2は、エフェドリンは胎児のアシドーシスを改善し、α刺激薬であるメトキサミンは逆に悪化させるという内容である。
論文のタイトルからは分からないが両方とも羊を使った動物実験である。動物実験による研究結果が長年にわたり臨床に影響を及ぼしていたことになる。 論文3は以下のような内容である。

・同力価のエフェドリン、メタラミノール、メフェンテルミン、メトキサミン投与による妊娠羊の子宮血流への影響(3)

16匹の妊娠中の羊に対し、エフェドリン、メタラミノール、メフェンテルミン、メトキサミンが同力価で投与された。母体血圧が50%上昇した時に、エフェドリン群では子宮血流に変化はなく、メフェンテルミンでは20%減少(P>0.05)、メタラミノールでは45%減少(P<0.05 )、メトキサミンでは62%減少(P<0.05)。メタラミノールとメトキサミンでは母体血圧上昇に従い、子宮血流は減少した。胎児血液ガス、酸塩基平衡には有意な差は認められなかった(3)。

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